2010年12月09日

イタリアの石畳

パヴィア情報スタッフのカワセミです。

今回はイタリアの石畳をご紹介したい。

このごろはもちろん町の中心を除いては日本同様アスファルトで固められているのだが、
町の中心は昔のままの美しく趣き深い石畳の通りを見ることができる。

私の住むパヴィア近郊の町では主に2種類の素材が見受けられる。

まず一つ目は切り石。


切石の石畳


切り石、イタリア語でPORFIDO(ポルフィド)、日本語で斑岩(はんがん)と呼ばれる
この10cm四方の切石を使ってモザイクのようにデザインし
均一に同じ模様を延々と何十メートルとはめ込んでいくわけである。


美しいデザインの石畳


一昨年の夏、我が家の前の石畳の通りを大幅に修復していたので、部屋の窓から観察していた。
まずは土の上に砂利を敷きその上をセメントで固める。
その上に砂を敷いてその砂の上にこの石を並べはめ込んでいく。
ある一定の範囲が完成したらその上にセメント混合の砂をかぶせ、砂が石と石の隙間にきっちり入り込むように圧迫する。
余分な砂を掃いて水を流し込みセメント化させ乾燥、完成。


この作業を8月の炎天下の中、半身裸で延々と毎日続けていた。

8月というのには2つのわけがある。

まずは8月はほとんどの商店が夏休みに入り大半の店店のシャッターが下りる。
子供の夏休みはさながら大人も最低2・3週間の夏休みをとるため町は
ぐんと静まり返り人通りが減る。皆バカンスに出かけるのである。


当然、自動車の交通量も減る為、道路工事にはもってこいというわけである。

さらに、8月は降水量も少なく気温も高いのでセメントもすぐに固まるため、
修復作業の速度も速いというわけである。


なかなかモダンな風合いとテクニックで、わりあい近代的な石畳のようにも見受けられるが、
その歴史は、なんと2000年以上昔、古代エトゥルスキ人と古代ローマ時代にもさかのぼる。

シーザー(Caesar)暗殺後、養子オッタビアーノとの後継乱争で不敗しエジプトに逃げ込んだ親友アントニオ。エジプト女王クレオパトラの目にかかったうえ、恋愛に落ちてエジプト政治をこのローマ人アントニオに治めさせたという。

その時代すでにエジプトではこの切石を使って道路のほか、その赤い色合いが王宮の装飾にふさわしいと建物などの装飾にも使われていたという。

古代ローマ人前、イタリアのトスカーナ地方を中心に住み着いたエトゥルスキ人も
このテクニックをすでに使用していたというから、
今に残るは、エジプト由来かエトゥルスキ由来かに分類するのは難しいが
今日ではイタリアのどこに行っても大半の町中心街ではこの石畳の通りを見ることができる。


石畳の街並み


もちろん、自然の石なので地域によって色合いが変わってくる。

大半は赤みがかったローズ系の茶色が見受けられるが、ブレーシャ辺りでは紫色になってくる。

環境美がまた人の品性と行動につながってくるとも言われる。

便利性や速さ、コストを重視すればアスファルトのほうがはるかに勝るだろうが、
景観の美しさ、昔のままの情緒を大切に残していくという、

この環境美志向は便利、早さ、効率という概念に浸水した私たち日本人にいまいちど何かを教えてくれるように思われる。

ともあれ、昔のままの趣にこだわり続けて毎年毎年、外れた石畳を丁寧にひとつずつ修復し続けるそのこだわりには頭が下がる。



さて、2つ目は石畳といってもそっちそこらの石畳ではない。

まさに《石》である。

自然の石の石畳


切り出して磨くわけには行かない。

その昔、川原の石を運んできてははめ込んでいったのだろう。

ローマのアッピア街道をご存知だろうか?
2000年以上ものさかのぼったその昔、世界初めての
高速道路を古代ローマ人が造ったが、その景観とまったく同じである。


この石畳がいったいどのくらい昔に敷かれたのかは明確ではないが、
このあたりもローマ帝国の遠征でその政治下にあった所以、
この石畳、遥か2000年昔の息吹をかもしだし続けている。

パヴィア地区の石畳


by パヴィア情報スタッフ・カワセミ  kawasemi.jpg




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ラベル:イタリア 石畳
posted by パヴィア情報スタッフ・カワセミ at 03:59| Comment(1) | 生活・現地事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。とても勉強になりました。古来から、その魅力を愛され、用いられてきた石なのですね。庭の通路をポルフィードで施工している最中です。私のブログに引用させてください。
Posted by 加藤由香 at 2017年02月06日 08:58
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